さといもの栄養・豆知識

2017年9月2日

里芋
いも類には、食物繊維がたっぷりと含まれています。いも類の中でもっとも食物繊維の多いのは、言わずと知れた「さつまいも」です。さつまいもは100g中23μgとカロチンが豊富で、食物繊維を含むいも類の中でも筆頭にくる野菜です。ベータ・カロチンと食物繊維を同時に豊富に含むところからみて、さつまいもは防ガン料理には欠かせない素材です。献立に積極的にとり入れたいものです。
このさつまいもと同じくらい食物繊維を含んでいる(100g中2.3g)のが、さといもです。さといもは皮をむくと独特のぬめりがありますが、ぬめりの成分のムチンは消化酵素を含み、体内に入ると胃や腸の潰瘍を防ぐ働きのあることがわかっています。

もっともシンプルな食べ方は、蒸して塩をつげていただく方法。さらに煮もの、蒸してから揚げる、けんちん汁にするなど、さまざまな食べ方がありますので、たっぷり食べて
食物繊維不足を解消したいものです。

さといもの種類

石川早生

小芋の代表的な品種。粘りがあり、淡白な味わい。煮物やきぬかつぎに。

土垂

全国各地で作られ、特に関東地方が多い。「さといも」の名で売られている大半が
この品種。

京芋

名前とは異なり、産地は宮崎。姿が似ていることから別名竹の子芋。粉質だが、煮崩れしにくい。

八つ頭

一つの種から芽が八方に出るので、この名がついた。八が末広がりを意味するとともに、これを食べると人の頭に立てるとして縁起物とされている。水分が少なく粉質。

セレベス

インドネシアのセレベスから伝来したもの。粉質でやわらかく、味もよいが煮崩れしやすい。

さといもの栄養

特有のぬめりの成分はガラクタンやムチン。ムチンには胃酸から胃を守るなど、粘膜を守り消化吸収を助ける働きがある。食物繊維もイモ類の中で、トップクラスで、おなかの調子を整える作用がある。独特のえぐみの成分はホモゲンチジン酸とシュウ酸によるもの。水分量が野菜の中では低い。

さといもの調理方法

味にクセがないので、しようゆ、みそ、バターなどとも相性がよい。煮物にするほか、油で揚げてからしょうゆ煮にしたり、洋風にグラタンにするのもよい。石川早生は皮がはがれやすく、きぬかつぎにも利用される。素手で皮をむくと、かゆくなることがあるが、手に酢や塩をつけてから扱うことで防ぐことができる。